スピンオフWEB小説「ネクロス国の死霊魔術」―死霊魔術と5体目のメイドドール【第六話】

カテゴリ: その他

 皆さまどうも!こんにちは!また1日遅れてしまいましたが…毎週金曜日に配信、シナリオ関係でお世話になっている「株式会社共幻社」さんと共同ではじめました「ネクロス国の死霊魔術」のスピンオフWEB小説の第六話を配信いたします!

 

<本編の概要>

 死霊魔術を扱う種族が集まった”ネクロス国”を舞台とした、女王「アンジェリカ」とその家臣「レイミ」。今回は侯爵より、メイドドール4体を納品するよう依頼を受けますが…なんと、そこにあるはずもない5体目のメイドドールが!アンジェリカとレイミ、そしてメイドドールたちが織り成すドタバタ劇をお楽しみください。

 

⇒目次はコチラ!

 


第六話  メイドドールの決意

 

 

「──ひいいいいいいいいいいいいいッ!!!」

 

 御者の悲鳴が国境に響く。
 レイミの作戦は、以下の通りである。
 遠距離からの魔法弾で魔狼の群れの注意を引き、客車を外した馬を囮として放つ。
 御者と馬は、そのまま国境警備隊に保護してもらう。
 客車さえ外してしまえば、魔狼より馬のほうが速いからだ。

 

 だが、問題は、フェンリル級の一頭だった。

 

 アンジェリカが状況を報告する。

 

「──十一頭、馬のほうへ。残り二頭とフェンリル級、動かず」

「むー……」

「こりゃ、ガチらねばならんかもしれんな」

「フェンリル級、倒せますか?」

「全盛期なら可能だ」

「今は?」

「無理だな。流行り病が魔力を蝕んでおる。生命力に片足を突っ込んだとしても、中規模魔術が三度といったところだ」

 

 アンジェリカは、魔力が徐々に失われていく原因不明の病に罹っている。

 まだ完全に魔力が枯渇したわけではないが、習得している大魔術のほとんどが展開不可能となっていた。

 

「……では、私が囮になります。女王とぽんこつちゃんは、公爵を」

 

 固い表情でそう告げたレイミに、アンジェリカが言い放つ。

 

「駄目だ」

「女王……」

「お前は今、死ぬ気だっただろう。それだけは許さん。お前の命は、民のためにある」

 

 レイミが声を荒らげる。

 

「女王だって……!」

「私の命とて、同じだ。死ぬ気など、欠片もありはしないよ」

 

 アンジェリカはそう微笑むと、ぽんこつドールに話し掛けた。

 

「──というわけで、ぽんこつよ」

「はい……」

「フェンリル級は、私とレイミで引きつける。そのあいだに、お前が公爵を助け出すのだ」

「──…………」

「返事は!」

「はい!」

「行くぞ、レイミ。死霊術を使った戦い方は、まだ教えていなかったな」

 

 アンジェリカが、右腕を振る。

 

「仮想錬成、二重誓約、憑依接続──教えることはたくさんある。すべてとは言わん。ひとつでも覚えてみせろ」

 

 すると、その右足を中心にして、波紋のように魔法陣が浮かび上がった。

 

「詠唱破棄……」

「仮想錬成した戦士ドールを、両足にのみ憑依させる。ほんの一瞬でいい。それを断続的に行えば──」

 

 とん。

 アンジェリカが、宙を舞う。

 

「空気さえ、足場となる。効率を極めれば、僅かな魔力と体力で、馬より速く駆けることができるぞ」

「……すごい!」

 

 針に糸を通すかのような魔力操作技術に圧倒され、レイミが感嘆の声を上げた。

 

「──行くぞ、レイミ!」

 

 魔法陣を足跡として残しながら、アンジェリカが空中を駆けていく。

 

「お、置いてかないでくださいー!」

 

 アンジェリカを追いかけて、レイミが走り出す。

 その場に残されたぽんこつドールが、独りごちた。

 

「たすける。ごしゅじんさま、ぜったいに──!」

 

 その瞳に宿るものは、確かな決意だった。

 

 

 

≪第五話 第七話≫

 

☆☆☆次回へ続く☆☆☆
来週金曜日の公開予定、お楽しみに!

 

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 編集プロダクションとして書籍の編集校正・シナリオ作成などを請け負うほか、出版社としては電子書籍の発行、小説コンテストの開催といった企画を継続して行っています。『創作をもっとおもしろく』をモットーに、クリエイターの皆さまと連携しながら、より魅力的なコンテンツを作り出したいと考えています。

 

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